2014年6月23日月曜日

東京オリンピック施設整備を大幅見直し、あと6年



 

【国立競技場の解体】


 日本スポーツ振興センターが発注する国立競技場の解体工事は、不調になったのち再び今月中に公示される。

  前回は3月24日に入札公告を出し、5月29日の開札では複数の業者が応札したが、いずれも予定価格(予算は67億円)を上回ってしまったか。

 今回は6月中に公告を出して、8月中の開札となるのだろうか?いずれにしろ7月の解体工事に着手する予定は遅れる事になる。

 前回の入札は発注者の予定価格がいくらで、入札者の応札価格がいくらだったかは公表されていない。分かっているのはA工区とB工区に分けたそれぞれの応札価格が、20億2,000万円以上だった事だけだ。

 合計すると40億4,000万円以上となり、予算の67億円にどれほど近かったのか、あるいはその金額を超えていたのかハッキリしない。

 そして今回は果たして、発注者がどのくらいの予定価格を出して来て、落札となるのかどうか。

 もし落札にならないと、着工時期は大幅に遅れ、また人手不足などから、さらに解体工事の完了する時期がずれ込むと考えられる。


【新国立競技場】


 さて新国立競技場の建設費であるが、当初は


      本体工事が      1,413億円+

      周辺整備工事が    372億円+

      現競技場解体工事が 67億円で、

                合計1,852億円だった。


 その後、自民党の無駄撲滅プロジェクトが予算規模の縮小を提言し、その結果1,692億円になった。
 どの辺の予算が減らされたのかというと、配置や規模を見直し、各所から少しづつ削ったようだ。

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 新国立競技場建設の概要は次の通り。

 本体規模は、鉄骨・一部鉄骨鉄筋コンクリート造6階地下2階建て、延べ面積は210,878㎡。

 各階の延べ床面積は、6階が3,397㎡、5階は12,518㎡、4階は26,099㎡、3階が15,790㎡、2階が29,877㎡、1階は39,230㎡、地下1階が24,627㎡、地下2階が59,340㎡となっている。


 建設費用は、


     新競技場建設工事が   1,388億円、

     現競技場解体工事に    67億円。



     周辺整備工事は、

       明治公園に        33億円、

       周辺人口地盤に    143億円、

       ブリッジ外苑西に    22億円、

       ブリッジ新宿通りに   19億円、

       インフラ移設は      15億円、

       サブトラ連絡通路に   4億円、

       明治公園撤去に     1億円で、

                 合計が237億円となっている。

 その他に、

     埋蔵文化財調査に    14億円、

     競技場設計管理に    91億円、

     JSC本部ビル移転に   174億円(JSC本部は28億円)で、

                合計が279億円となっている。

       これらを総合計すると1,971億円になる。



【その他の会場】


 また報道によると、東京都は2020年東京五輪・パラリンピックで予定されていたバスケットボールとバトミントンの会場建設を取り止め、さいたまスーパーアリーナなどへの変更も検討し始めたという。
 バトミントンは都が建設中の武蔵野森総合スポーツ施設(調布市)が会場になる見通し。


 これまではバスケットボールとバトミントンは、「夢の島ユース・プラザ」(江東区)と名付けられて計画された施設のアリーナAでバトミントン、アリーナBでバスケットボールが行われる予定だった。

 この建設整備費は364億円と見込んでいたが、建設費や土壌汚染の処理費用が多額になることや、近くにバレーボール会場の体育館があり、大会後の施設利用が十分見込めないために中止検討される事になった。

 
 またボート、カヌー(スプリント)の会場になる予定だった「海の森水上競技場」は、建設整備費を69億円と見込んでいたが、水門などの整備費が大幅に増える見込みになり、工法の変更か都内の別会場になる事が検討されている。

 さらには、カヌーの(スラローム)の会場が計画されている葛西臨海公園(江戸川区)は、希少生物の生息地になっているため、隣接する都有地へ変更になる方向だ。